マーケティングの誤解

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マーケティングの誤解

■マーケティングとは


本学のメールをご覧の方なら恐らく誰もが聞いたことのある言葉
でしょう。日常的に仕事の会話で使っている人も多いかと思います。

しかしその意味は人によって様々です。
マーケティングを販売活動と捉える人もいれば、市場調査や
プロモーションの意味で使う人もいます。
対象についても顧客や消費者と考えたり、株主や従業員などの
ステークホルダーまでも含めて考える人もいます。

あらゆるビジネスに関わる活動だからこそ使う人によって意味も
幅広く曖昧になってしまうのでしょう。

だからこそ定義をしっかりと理解しておく必要があります。

■マーケティングの定義


マーケティング発祥の地のアメリカでの定義はどうでしょう。
アメリカ・マーケティング協会(AMA)では以下とされています。

「マーケティングとは、顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとって
価値のある提供物を創造・伝達・配達・交換するための活動であり、
一連の制度、そしてプロセスである。」

つまり、マーケティングとは単なるセールス活動ではありません。

対象も顧客やステークホルダーだけでなく、より広範な社会全体へ
働きかける活動を指すとされているのです。

■マーケティングの変遷


ただ、そのような定義も時代とともに変わります。
上のAMAの定義も2007年に改訂された内容でそれ以前とは異なります。

マーケティングの神様と言われるフィリップ・コトラーはマーケティングを
以下のように整理、提唱しています。

▸ マーケティング1.0(~1960年代)
・製品主義。
 製品中心で製品販売に主眼を置き、製品を効率的に製造する活動を指す。
・作れば売れるため「内から外」へ志向。 
 世界大戦後の物不足の時代は需要が供給を大幅に上回ったために製品を
 いかに大量に製造し販売するかがマーケティングの大きなテーマでした。

▸ マーケティング2.0(1970~80年代)
・顧客主義。
 消費者の満足に主眼を置いた「外から内」志向(マーケットイン)。
・作れば売れる時代から消費者ニーズの重視へ。ターゲットマーケティング。
 これまでのように作れば売れる時代が過ぎ、消費者や顧客の嗜好も
 多様化すると同質商品の大量販売では個々のニーズを満たせなくなります。
 そのために最適な市場に自社の最適な商品を投入するターゲットマーケティング
 という考えも生まれました。

▸ マーケティング3.0(1990~2000年代)
・価値主導。
 社会的価値、社会貢献の考え方が含まれる。
・機能の差別化は既に飽和状態。機能的価値だけでない精神的価値を提案。
 既に製品価値だけでは商品を販売できず、そこに買い手に好ましい
 感情や感動の提案が求められるようになります。
 ブランドストーリーやナラティブが重視されます。

▸ マーケティング4.0(2010年代~)
・自己実現。顧客と企業の繋がりを重視。
・顧客の自己実現のための製品・商品、サービスを提供する活動。
・企業の目標は消費者、顧客の製品・サービスのファン化。
 ソーシャルメディアの普及を背景に顧客と企業のオンライン、
 オフラインの交流が推進され、企業と顧客双方の価値観の一致に主眼を
 置いた活動が求められるようになります。

■マーケティングを正しく掴む


このように企業活動に密接にかかわるマーケティングは時代や社会
環境の変化を反映して、その意味するところや内容も変化していきます。
そのため企業経営を学ぶ多くのMBAスクールで必須のコア科目、必修
科目とも位置付けられています。

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開催日時:6/3(土)10:00-12:00
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