会社経営も事業構築もどちらも「人間の営み」です。これまで多くの経営者の方にお会いし、また私自身が経験する中で、経営者にとって最も大切なのは「人間学」を学ぶことであると強く実感しています。事業は決して一人ではできません。多くの人の共感を得て、同じベクトルを持って力を合わせて進んでいく「志念の共有化」がないと成功しないのです。「徳は孤ならず、必ず隣あり」と『論語』にもあるように、徳のある人間は決して孤立するものではなく、必ず共鳴者、理解者が現れます。リーダーシップが求められる立場の組織人なら誰もが人間学を学ぶべきです。もちろん人間学だけを学べばよいというわけではなく、時流を捉えた実践的経営学すなわち「時務学」を習得することも必要です。
【 SBI大学院大学 初代学長 北尾 吉孝 】