やむを得ず起業することもあります

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桟橋の女性

業は意識の高い人が積極的にするものというイメージがあるかもしれませんが、
それがすべてではありません。
中にはやむを得ず起業するケースも存在します。


今回は本学を2019年に修了した佐藤仙務さんの例をご紹介します。
佐藤さんは本学に進学する前に起業をしていました。
そこからMBA取得に至った経緯も含めてお伝えします。


■僕を雇いたいと思う会社があるだろうか


佐藤さんは生まれつき「脊髄(せきずい)性筋萎縮症」という難病を抱えており、
子どものころから現在まで基本的に寝たきりの生活を送っています。
自分でできるのは、左手の親指を1センチ動かすことと会話のみ。


そんな佐藤さんは高校3年生のとき大学進学を希望し、断念します。


大学で学ぶのに必要なサポートが得られなかったのもありますが、
なにより大学を卒業したところで、自分を雇ってくれる会社があるとは思えなかったからです。


■19歳で起業


佐藤さんは19歳で起業する道を選びます。
Web制作会社「仙拓」は佐藤さんと同じく難病を抱える友人と2人で起業しました。


起業は初めての人にとっては決心のいることです。
まして佐藤さんには身体的なハンデがあります。


起業に至った背景には「自分を雇ってくれる会社があるとは思えない」
という、やむにやまれぬ事情がありました。


■MBA挑戦を決めた2つの理由


起業から数年後、佐藤さんはMBA挑戦を決意します。
2つの理由が佐藤さんを動かしました。


ひとつは、大学進学をあきらめて以来、障がい者の世界ではない別の世界で
学んでみたいという希望を持ち続けていたこと。


もうひとつは、手探りの企業経営に行き詰まりを感じ始めていたことです。


佐藤さんが心に抱えていた2つの思いと
世の中の変化がマッチして、MBA挑戦が実現しました。


■オンラインだからできた。でも大丈夫ではなかった


MBA大学院に進学できたのは、世の中が変わって
オンライン学習が可能になったことが大きな要因です。


とはいえ、オンラインだから何の問題もなかったわけではありません


オンラインで学べる大学院であったとしても、
佐藤さんに重度の障がいがあることには変わりはなく
「体調管理が大変だった」とご本人も述懐しておられます。


入院で休学したこともありましたが、
それでも社長業をこなしつつ、2019年に見事
MBAホルダーの仲間入りを果たされました。


■ネガティブを踏み台に前進する


能力、年齢、環境など、ネガティブな要因は誰にでもあります。
それを踏み台にして前進してきたという意味で、佐藤さんのエピソードは
「自分ならどうするだろうか」とすべての人に考えるきっかけを与えてくれるものです。


現在も経営者として活躍する佐藤さんは、朝日新聞デジタルにて連載をされています。

興味を持たれた方はそちらの記事もぜひご覧ください。
以下のリンクからどうぞ。

>>外部記事:寝たきり、「働く場所がない」 声と指1本からのMBA
>>外部リンク:株式会社 仙拓 

(この記事は2020年7月3日配信のメールマガジンを一部改変したものです)



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