これからのキャリア形成の主体は誰か?
案内メール

昨年夏、「45歳定年」発言が波紋を広げました。
新浪剛史サントリーホールディングス社長が
経済同友会の夏季セミナーで発言したものです。
賛否はさておき、
こんな発言が生まれた背景を考えてみると
キャリア形成の主体が変わってきたんだなと感じます。
今回は「これからのキャリア形成の主体」
について考えてみます。
■企業がキャリアを作った時代
社会が成長し終身雇用が当たり前だった時代は、
個人のキャリアは企業内に作られた階段を
上っていくイメージでした。
荒っぽい言い方をすると、
個人は入社から定年まで続く階段を上るだけでよかった。
そういう時代が確かにあったのだと思います。
しかし今は、経済の継続的な成長が止まった成熟社会。
終身雇用を企業が維持すること自体むずかしくなりました。
象徴的だったのは2019年、
トヨタ自動車の豊田章男社長の発言。
「終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」
と述べたことは大きなインパクトとともに
記憶されている方も多いかと思います。
■企業にはキャリアを作る体力はない?
あれから3年が経ち、コロナ禍を経て、
企業が早期退職者を募集するニュースも
たびたび聞かれるようになりました。
そんな折に飛び出したのが、
新浪社長の「45歳定年」発言です。
この発言から
「企業はいままでのように社員の面倒を見てくれなさそうだ」
というのが伝わってきます。
■個人がキャリアを作る時代
キャリアはもはや
「自分で作ろうとしなければできないもの」
です。
会社の中でがむしゃらにがんばっていたら、
いつの間にかできていたのは過去の話。
はたして自分は
社外に出たときに求められる人材なのか。
そんなことを自問しながら1、2年後のことを考えて動かないと、
いわゆる「ゆでガエル」になってしまうのが現状なのかもしれません。
■企業も社員も手探りの現実
しかしいきなり自分でキャリアを作れと言われても、
思考停止してしまう人がほとんどではないでしょうか。
終身雇用が無理だというなら、
企業としては社員の再出発を支援する必要はあるでしょう。
しかし具体的にどうすればいいのかは
企業自身もきっとまだわかっていません。
答えが出るのはずっと先で、いろいろ試した挙句、
「会社は何もしない。自分でがんばれ」
と言われてしまう可能性もあります。
あなたのことを一番真剣に考えてくれるのはあなた自身です。
同じ手探りなら、今は身軽な個人が動き出すしかないのかなと思います。
■まとめ
以上、「これからのキャリア形成の主体」
について考えてみました。
いずれは企業も取り組まねばならない課題ですが、
わたしたちが現役の間は自分で何とかするしかなさそうです。
新浪社長の発言は広くとらえれば
「期限を設けて自分の価値を上げる」
と考えることもできます。
いつまでにどうなっていたいかを明確にするのは、
悪くないアイデアです。
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