『帝王学』の中身をご存じですか?

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中国

「帝王学」という言葉は聞いたことがあると思います。

しかし何を学ぶのかわかる人は
ほとんどいないのではないでしょうか


じつは「帝王学」はいつ誰が
言い出したかわからない言葉です。
今回は「帝王学」の中身について考えてみます。


■中国古典に「帝王学」はない


帝王学は中国の皇帝が代々学んできた学問。
そんなイメージをお持ちの方もいると思いますが、
中国古典に「帝王学」という言葉は出てきません

ではなぜこんなにも言葉だけが
広く知られるようになったのでしょう。


■きっかけは帝王学ブーム


原因のひとつに、今から30年ほど前の
「帝王学ブーム」があります。

この時期、伊藤肇著『現代の帝王学』や
山本七平著『帝王学』といった本が
非常によく読まれました。

それを雑誌などが取り上げて、
人々に印象付けたのがきっかけといわれています。

これ以降、「帝王学」は国語辞典にも載るようになりましたので、
いかに広く浸透したかがわかります。


■帝王学の中身。じつはあいまい


帝王学は学問自体の存在があいまいです。
トップに立つ人に要求される心得だろうとは
なんとなく想像できるのですが、
具体的に何を学ぶのでしょうか。

内容を理解する手がかりは中国古典です。
中国古典ではあらゆるものが
リーダーの心得を取り上げています。
なかでもおすすめは2つあります。


■リーダーの心得が学べる中国古典


一つは「書経」。
昔の皇帝たちとそれを補佐した重臣たちが
どのように政治に取り組み、
理想の政治を実現しようとしたのか。

そんな彼らの政治問答を
まとめたような書物です。

もう1冊は「貞観政要」です。
帝王学というとまっさきに
思い出す人も多いのがこれです。

唐王朝2代皇帝太宗(李世民)と
その重臣たちの政治問答が
まとめられています。

トップやリーダーがどういう姿勢で政治に臨むべきかを
彼らの問答を通して解き明かしている

という内容です。


■MBAで中国古典を学ぶ意味


「書経」「貞観政要」は、いずれも本学の
MBA本科で履修する科目になっています。

MBAで中国古典を学ぶのは、経営者がリーダーであり、
影響力がかなり大きい存在だからです


本学では人間学としてこれらを扱っています。
経営者は、いわゆる経営学や、
法律の知識だけではなく
人を動かす力も備えなければなりません。

ゆえにリーダーとしての在り方、
考え方を学ぶ手がかりを
人間学に求めているのです。

帝王学の中身は中国古典、
ひいては人間学と重なるものと考えて
差し支えないでしょう。

本学が中国古典を履修科目に含めている理由が
おわかりになるかと思います。

他にも中国古典を扱った科目がありますので、
ホームページでご覧になってみてください。
>>MBA本科のカリキュラムを見る

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