かつてMBA(経営学修士・経営管理修士)はエリートを目指すひと握りの人たちだけが取得する学位であると考えられていました。
しかし終身雇用・年功序列といった日系企業特有の制度が崩壊していくなかで、MBAは多くの人にとって効果やメリットが実感できるものになってきています。
この記事ではMBAの取得について以下のことを解説します。
MBAは「Master of Business Administration」の略。
大学院で経営学を修了した人に与えられる学位です。
日本語では「経営学修士・経営管理修士」と呼ばれます。
MBAコースの目的のひとつは、企業経営の実務家を育成すること。
純粋な研究とは異なり、ビジネスの現場で活用できる学びを提供することに重きが置かれています。
ここが普通の大学院とは違うところです。
MBAもほかの修士号同様、もともとは大学院にフルタイムで2年間通学して取得するものでした。
しかし実務家を対象としていることもあり、近年では仕事を続けながらでも学べるようコースの形式も多様化してきました。
1年間の短期コース、夜間や土日に開催されるパートタイムコース、eラーニングを主体としたコース、それらを組み合わせたコースなどが展開されています。
SBI大学院大学の学習スタイル
MBAは経営学の修士学位でですが、実務に直結する領域を扱うのが特徴です。
大学の経営学で学ばれている内容に加えて、実務において応用できるスキルも習得できます。
終身雇用制度においては、MBAホルダーの需要がそもそも低いものでした。
人材は企業内で時間をかけて育てるものと考えられていたからです。
また年功序列型の企業の場合、MBA取得のメリットのひとつであるキャリアアップが期待できません。
日本におけるMBAは、企業にとっても従業員にとってもメリットの少ないものと見なされてきたのです。
しかし人材の流動化が進んだことで、企業は優秀な人材の確保と採用してからの即戦力化という2つの課題に直面しています。
その結果、採用担当者が企業内で活躍してくれる可能性が高いMBAホルダーに一定の価値を見出すようになってきました。
実務家養成に重きを置くMBAコースは、即戦力化においても企業のニーズを満たしています。
こうした背景からMBAホルダーの地位が向上し、取得者が増え、さらにMBAにメリットを感じる企業が増えるという好循環が生まれるようになりました。
企業の戦うフィールドが世界に拡大していることも見逃せません。
これまでは国内市場がメインだったためリスクが見通しやすく、企業内で培った経験や知識のみでも十分に通用していました。
しかしグローバル化が進行しビジネスが複雑かつ不透明になるにつれ、仕事を通じて得られる経験や知識だけでは太刀打ちできない場面も増えてきています。
そのためMBAのような研究に立脚した実践的知識が、ビジネスの現場でも求められるようになってきたのです。
組織外だけでなく、最近では組織内の複雑性も徐々に高まりつつあります。
多様性のある働き方を推進する声が年々大きくなり、あうんの呼吸で動いていた組織が、徐々に個々人の働き方を尊重する方向にシフトしつつあります。
第一線で活躍する女性が増えたり外国人採用が一般的になったりと、企業内におけるダイバーシティもまた高まり続けています。
組織が変容すれば、マネージャーたちは従来のマネジメントスタイルを刷新しなければなりません。
このような背景により、体系的なマネジメント論と時代の動向に合わせたマネジメントの考え方が学べるMBAコースの価値が高まっているのです。
SBI大学院大学MBA本科の科目一覧
MBA取得にはさまざまなメリットがあります。ここではそのうちの3つをご紹介します。
日本では、アメリカのようにMBA取得により高い給与とポジションが約束されるわけではありません。
しかしMBAホルダーへの需要が増していく状況においては、転職や昇進に有利な材料であることは間違いありません。
近年ではアントレプレナーシップ(起業家精神)を育成する講座をもつMBAコースがあり、ビジネス構造・事業構想を作り上げる課題を扱う授業も増えつつあるため、起業を考えている人にとってもうってつけです。
SBI大学院大学の教員一覧
MBAコースに集まるのは、さまざまな業界・職種のプロフェッショナルたちです。
MBA取得という共通の目的に向かって互いに切磋琢磨する中で、質の高いネットワークを構築することができます。
MBA取得にはそれなりの費用と努力が必要です。
したがってMBAコースに通っている人たちは強い目的意識と学ぶ意欲を持った人たちばかり。
そんな人たちと議論するなかで得られる深い関係性は、MBAコース修了後にも続く大きな財産となるはずです。
SBI大学院大学の修了生の声
MBAコースでは事業戦略やマーケティングといった経営力に関わるスキルを習得することができます。
企業経営の中枢を担う人にとってはもちろんのこと、次世代リーダーにとってもひとつ上の視点で仕事に取り組む土台を得ることができます。
またMBAコースは「人間力」を磨く場としても最適です。
企業を経営することが人間の営みである以上、経営力だけではいずれ立ち行かなくなるでしょう。
SBI大学院大学では“人間学”と“実学”の双方を学ぶ機会を提供し、物事の本質を見抜く力、時代を予見する先見性や大局的な思考、そしてぶれない判断軸を育成することを目指しています。
SBI大学院大学の教育理念
まず海外で取得する場合です。
1.語学力が向上する
2.幅広く多様なネットワークを築くことが可能
3.1年で取得できるコースもある
4.海外就職希望者にとっては有利
世界中から集まった学生とともに英語もしくは現地の言語で授業を受け、コミュニケーションを取ることになります。
ハードルは高そうですが、その分、国際的に活躍するチャンスは広がるでしょう。
MBA取得にかかる期間は、どちらかというと短期集中。
アメリカのビジネススクールの多くは2年間通学する必要がありますが、ヨーロッパのビジネススクールですと1年制が一般的のようです。
アメリカやヨーロッパではもちろんのこと、近年ではアジア諸国においてもMBAの価値が高まってきています。
働きたい国が決まっているのであれば、その国にあるMBAコースを検討するとよいでしょう。
1.多額の費用がかかる
2.修了後、そのまま現地で就職できるとは限らない
3.日本では大きな昇給は望みづらい
4.現在の仕事を辞めるリスク
海外でMBAを取得する人にとって費用は頭の痛い問題です。
アメリカ・ヨーロッパのビジネススクールに通う場合、700~1000万円かかるといわれています。
アメリカのMBAスクールを修了しても、日本では大きな昇給は望みづらいのが現実です。
授業料分のメリットを見いだせないとすれば、割に合わない投資となってしまいます。
国によっては修了後にそのまま現地で就職することも難しくなってきています。
これは外国人就労者へのビザ発給要件が厳しくなりつつあるからです。
さらに企業派遣や休職などが認められない場合は、一度仕事を辞めなければなりません。
修了後のキャリアアップが期待できるとはいえ、大きなリスクを背負うことになります。
次に国内で取得する場合です。
1.海外に比べて学費が安い
2.受講スタイルの選択肢が広い
3.受講期間がフレキシブル
3.日本のビジネスに合った学習内容
4.学んだことをすぐ実践できる
国内のMBAコースなら学費の相場は300~500万円。安いところでは200万円台で済むところもあります。
けっして小さな額ではありませんが、海外の700~1000万円と比べると経済的負担の違いは歴然です。
また特定の国内MBAスクールにおいては、教育訓練給付金が支給される場合があります。
教育訓練給付金とは、厚生労働省が中長期的なキャリア育成を支援するために設けている仕組みで、
厚生労働大臣が指定する教育訓練講座に対して支払われます。
ビジネススクールを選ぶ際には必ずチェックしたいポイントのひとつです。
教育訓練給付金の詳細を見る
自分の生活に合わせて通学やeラーニングといった受講スタイルを選択できるのもうれしいところです。
取得にかかる期間は2年が基本ですが、スクールによっては3年以上に変更が可能です。
その際注意すべきは、追加で授業料がかかるかどうか。
受講期間が延びると追加の授業料がかかるケースもありますので、あらかじめ調べておきましょう。
SBI大学院大学の長期履修制度
コースで学ぶ内容が日本のビジネス向けに考えられているのも、国内MBAならではのメリットです。
学んだことを日本におけるビジネスにどのように適用するか、日系企業の文脈に当てはめたらどうなるかといった視点は、日本で活躍していくためには欠かせません。
さらに働きながら学ぶことで、学びをすぐに実践できるのも有利なところです。
グローバルな活躍を目指しつつも軸足は日本に置いておきたいとお考えの方には、国内のMBAコースが第一候補となるでしょう。
1.英語力が身につかない
2.ネットワークが作りにくい
単純に、海外で学んだ場合に得られるものが国内だと得られません。
例えば英語力。
英語を使って学ぶ国内のスクールもありますが、現地に留学して学ぶほどの英語は身につかないでしょう。
また集まる学生の属性も国内と海外ではかなり異なります。
大きなリスクを背負って世界中から集まった仲間たちとのつながりと同等のものが、国内のスクールでも作れるとは考えにくいです。
とはいえ、それを必要とするかどうかは人それぞれです。
自分のMBA取得の目的をよく考えてスクールを選んでください。
まず挙げたいのが、所属している組織の中でキャリアアップを図っていきたいビジネスパーソンです。
MBAコースで提供される授業は実務において役立つことを念頭に設計されているため、授業を受けた翌日に適用できるほど実践的な学びを得ることができます。
組織の中での活躍を目指す人にとっては、ロジカルシンキングや戦略思考だけでなく「人間力」も欠かすことのできない要素です。
とくに本学のMBAコースの場合、これらがパッケージになっているので効率よく学ぶことができます。
SBI大学院大学の科目一覧
とくに30代以降、今後のキャリアを考えてMBA取得を目指す女性も少なくありません。
これからオーナー企業の経営を引き継ぐ人たちにとってもMBAの取得は有効です。
オーナーの経営手腕を間近に見ていたとしても、理論的なバックグラウンドの有無により吸収の度合いは大きく変わるでしょう。
MBAコースによっては事業計画を作り上げる授業も設けられているため、事業を継承する前のシミュレーションとしても役立てることができます。
SBI大学院大学「事業計画演習」の担当教員一覧
都市部に比べてMBAホルダーが少ない地方都市の場合、MBAの取得が希少価値になりえます。
ただ資格や肩書が手に入るということではありません。
地方には人口減少や少子高齢化などにまつわる問題が山積しています。
これらはいずれ他国でも同様に直面する問題です。
MBAで学んだ知識やそこで得た人脈を生かしてこれらの問題に取り組むことで、新しい解決の糸口が見つかるかもしれません。
問題解決は自分で方法を考えるより、他で使われているいい方法を当てはめる方が効率的です。
いまは地方在住者でもやる気さえあればオンラインでMBAコース受講できますが、実際に一歩を踏み出せる人は極めて少数です。
それだけに地方においてMBAを取得することには価値があります。
定年とは関係なくビジネスの現場で活躍しつづけるには、どこかで「リーダー」になる必要が出てくるはずです。
特定のスキルのバージョンアップを続けるだけでは、チームや組織のリーダーはおろか、自分自身のリーダーになることもできません。
スキルを体系的に学び、リーダーとしてのマインドを身につけ、ビジネスについて相談できる仲間との人脈を得る。
5年、10年先を見越して地道に力を蓄えていく手段としてMBAは利用できます。
SBI大学院大学はこれまでたくさんの修了生を輩出してきましたが、その多くが「想像よりもずっと大変だった」と語っています。
仕事や家庭で忙しい中、膨大な時間と労力をつぎこんできたのですからそう思うのは当然です。
なぜ彼らはそんな大変な思いをしてもあきらめず、コースを修了できたのでしょうか。
それはMBAを取得したその先に目的をおいていたからではないかと思います。
起業、キャリアチェンジ、キャリアアップ。
理想の未来が見えるからこそ人はがんばることができます。
MBA取得自体が目的だったら、とても最後までやり遂げられなかったことでしょう。
あなたはなぜMBA取得を考えたのでしょうか。
その先に叶えたい希望が見えるなら、MBAは本気で目指してみる価値があるものかもしれません。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
MBAコースについてもっと詳しく知りたいとお考えでしたら、本学でも説明会やオープンセミナーを開催しております。
また資料をご請求いただくと、各コースやサポート制度などについてまとめてご覧いただけます。
情報収集にぜひご活用ください。