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修了生の声 杉山 智行さん/宮崎大学
学生が夢中になる指導には“人間力”が重要と強く感じています。
国立大学法人宮崎大学
学び・学生支援機構 副機構長
地域資源情報活用センター 部門長
地域資源創成学部 教授
杉山 智行
さん
大学教授をしながら大学院でも学ばれた杉山智行さんにお話を伺いました。進学のきっかけや学生生活のことから、今後の目標までたくさんお話しいただいています。進学をご検討中の方には「自分もがんばろう」と思わせてくれるインタビューです。ではどうぞ。
祖父を追いかけ大学教授に
――今どんなお仕事をされていますか?
杉山さん
:宮崎大学地域資源創成学部、および同大学院地域資源創成学研究科にて「地域活性化システム論(地域活性化に基づく事業構築手法)」「地域産業政策論(地域産業政策立案)」「観光と地域振興(観光事業構築)」等の講義を担当する一方、「数理・データサイエンス」等の講義にも参画しています。
また、教務担当教員として学部FD委員長を務めているほか、社会活動として外部講演や有識者委員も行っています。
研究においては、観光、地域経済、産業政策、産業連関、企業経営、DXの研究とともに、データサイエンスからコロナ禍の地域・社会の変化を可視化する方法について研究しています。
――宮崎大学教授就任のきっかけは何ですか?
杉山さん
:祖父が考古学の学者でしたので、私も祖父の背中を追いかけたいとの夢がありました。前職のシンクタンク勤務時に大学教員を目指し始めましたが、大きなきっかけはSBI大学院の先生方の“人間力”に魅力を感じ、私も教員になりたいと感じたことです。
――本学修了と同じくらいのタイミングで宮崎大学への教授就任が決まったと思いますが、入学当時はどのようなお仕事をされていましたか?
杉山さん
:宮崎銀行のグループ企業である一般財団法人みやぎん経済研究所にして主席研究員をしていました。地域経済、企業経営をはじめとする多種多様な業界研究、社会問題等の研究に加え、最も力を入れたのが地域産業連関表作成の研究でした。
また、地方創生に関して産業政策の委託研究を多く受け、ビッグデータを用いた地域構造等の可視化に注力していました。その他、大学での講義や地域経済関連の講演、各種有識者委員を務めていました。
進学の決め手は「体験授業で感じた魅力」
――複数オンラインスクールがある中でSBI大学院大学を選んだ理由は何ですか?
杉山さん
:シンクタンクの業務を続ける中で学び直しの必要性を強く感じたことと、先生方からお勧めいただいたことがきっかけですが、最終的には、
体験授業
で感じた先生方の魅力と挑戦的な講義内容が決め手でした。
――入学して変わったこと、変えたことはありましたか?
杉山さん
:社会の見方、企業経営の見方が一気に変化したことが大きいと感じています。仕事においても従来の常識を異なる角度から見ることができるようになり、見える世界が変わりました。また私生活では隙間時間を勉強に割り振り、早朝、深夜をすべて学びの時間へと変えました。
学生生活が楽しすぎました
――SBI大学院の魅力はどんなところだと思いますか?
杉山さん
:リアル対面の大学院以上に先生や学生との距離感が近く、学びの実践性、先生方のフォローの多様さもさることながら、社会に挑戦的な攻めの修士論文ゼミがよかったと感じています。自身の世界観を一気に変える魅力がありました。
何よりも学生生活が楽しすぎました。夢中になったという方が正しいのかもしれません。
――SBI大学院大学はどんな学生が多いと思いますか?
杉山さん
:私の周囲には、単にMBA取得のためというよりも、挑戦のために入学した意識が強い学生が多かったです。繋がりに対しても積極的であり貪欲でした。何よりも野性的であり、オリジナリティが強いと感じています。
論文執筆を通して社会や人間の本質を理解することの重要性に気づかされます
――杉山さんといえば、修論ゼミの活動が印象的です。2021年度の紀要第9号にもご応募いただき、掲載させていただきました。また、本科コース修了後にも座談会を開催いただき、修論ゼミを広められていますよね。今修論ゼミの希望が殺到しています! 改めて修論ゼミの魅力を教えてください。
杉山さん
:もともとMBAの修士論文に興味がありました。多くの論文はマクロ的な考え方からミクロの専門分野へと考え方を絞るのが一般的です。また、自身の専門分野や所属する学会に応じた論文執筆をするため、おのずから題材は専門分野絞ったものとなります。
一方、SBI大学院の修士論文はそのような風潮に対して真逆と言えます。誰もが読みたいと思うテーマを選択でき、社会を変える力を持った、社会の理に挑戦する論文を書けることが魅力です。私たちが見ているすべての事象は社会の縮図であり、論文執筆を通して社会や人間の本質を理解することの重要性に気づかされます。
おそらく社会に対する挑戦ともいえる論文はなかなか書かせてもらえないと思います。修論ゼミ座談会は半年に一度開催していますが、これ以外にゼミOBとの自主的な勉強会なども開催されており、思わぬつながりが広がることも魅力です。
>>2021年度紀要第9号
――今の仕事は教員として学生指導もあるかと思いますが、学生から教員に変身されて何か感じることはありますか?
杉山さん
:教員に必要なものは大学院で学んだ、“人間力”であることを強く意識することが多くなりました。実践的な教育を構築するには専門性は当然必要ですが、学生が夢中になる指導には“人間力”が重要と改めて強く感じています。SBI大学院大学は、通信制ながらリアル講義以上に先生との距離感が近かったですね。
朝4時起床で勉強開始、仕事から帰ってまた勉強
――印象に残っている授業やエピソードを教えてください。
杉山さん
:北尾理事長の講義で「立命」の重要性を学んだことであり、自身が何のために存在するかを学んだことです。また、刈谷裕子先生のブランディング論で価値の重要性を学びました。
ほかにも藤原学長の講義をはじめ、すべての講義がよかったのですが、対面授業の講義で学生同士の繋がりや先生との関係が強くなることが印象的でした。修了後もネットワークが続いています。
――本学での学習のコツを教えてください。
杉山さん
:朝4時起床で勉強開始、通勤時間、昼休みはすべて勉強。仕事から帰ってまた勉強ですが、13単位ずつ取得しながら、授業が公開される水曜日から土曜日までの間にすべての教科の掲示板投稿課題やテストを終わらせ、残る時間を復習やレポート作成に充てていました。
▼週間学習スケジュール
夜の勉強会から学内、先生へネットワークが広がりました
――杉山さんは学生会のイベントにも積極的に参加されているイメージがありますが、普段から学生や教員とのコミュニケーションで意識されていたことはありますか?
杉山さん
:同期会でLINEグループを作ったほか、Facebookやメールでも縦横無尽につながったと感じています。
在学中は同期が主催していた夜の勉強会にこば(小林英幸)先生や修了生に参加していただき、そこから学内、先生へのネットワークが広がりました。また、分からないところや、関連分野についての疑問を先生に直接メールしたこともありました。修了後も修論ゼミや任意の勉強会等に参加しています。
現在は石川(秀樹)先生や細沼先生と同じ学会に所属するなど、大学院を離れても繋がりが続いています。学生会イベントも自身のネットワークを広げる場であり、常に新しい発見があるので大切にしています。
――大学院での学びで今のお仕事などで活きていると感じることは何ですか?
杉山さん
:現在の仕事で活かされているのは、多様な視点で物事を考えられるようになったことです。また、科目ごとの専門性やゼミで学んだ考え方は、今の仕事の根幹を築くものとなりました。
――SBI大学院大学を修了して、今の楽しみは何ですか?
杉山さん
:大学院で学んだ人間学を学生に伝えることと、先生方、修了生、現役学生との勉強会や聴講生として学びを継続できることが楽しいと感じています。
ゼミの恩師である小林(秀之)先生の教えを私なりに継承し、学生と社会の理に挑戦するゼミ活動を始めたことも楽しみの1つです。
また、企業や団体等の事業アドバイザーとしての活動も始まり、大学院で学んだ内容を実践する機会も多く、自分なりにこれまでの学びをアレンジすることも楽しみとなっています。
――プライベートで力を入れていることはありますか?
杉山さん
:趣味ではサックスを40年以上演奏しており、過去には編曲を多数手がけたこともあります。最近になり、DTMなど音楽制作を始めました。これがおもしろいと感じています。
人間力を持つ学生や地域人材を育てたい
――これからの目標や課題を教えてください。
杉山さん
:自身の知識を深め、研究を深めたいです。とくに花村先生の講義で興味を持ったディープラーニングを自身の研究をもとにAI実装をすべく、日々研究を進めています。データで地域や社会の本質を捉える研究を進めるとともに、人間力を持つ学生や地域人材を育てることが目標ですね。
大学院を修了して、学びたいという意欲が一層強まりました。それをどこに向けるのか見極めることが課題といえます。
――今後のビジョンやチャレンジしてみたいことは何ですか?
杉山さん
:今後は大学院の聴講制度利用しながら学びを継続するとともに、修論ゼミで学んだことを自身の研究に活かし、社会に挑戦する学生を育てたいと考えています。まだ明確ではありませんが、せっかく繋がった大学院の仲間や先生方と何かしたいです。
PROFILE
杉山 智行
Tomoyuki Sugiyama
修了年月:2021年3月
勤務先:宮崎大学
職種:教授
経歴:1993年高知大学人文学部卒後、宮崎銀行入行。営業店勤務の後に宮崎県庁に出向(貿易振興)、銀行本部にてМ&A等を担当した。2006年より関連シンクタンクで15年間地域産業・経済分析等に携わり、2021年9月に同行を早期退職。2021年10月より宮崎大学地域資源創成学部・地域資源創成学研究科教授。
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