修了生の声 芦谷 絵里さん/株式会社 LIFE CREATE ゼネラルマネージャー

子どもたちの未来のために、 教育の機会を提供したい

株式会社LIFE CREATE
ゼネラルマネージャー
芦谷 絵里さん

芦谷絵里さん
今回お話を伺うのは、2022年9月修了の芦谷絵里さんです。芦谷さんは本学修了後、株式会社LIFE CREATEに勤務しながら、大学院で出会った友人と2025年3月にカンボジアの小学校建設に関わりました。今回は、その活動の詳細や本学で得たものを語ってくださいました。


教育への関心が活動の原点

――カンボジアの小学校への寄付の活動を始めようと思ったきっかけを教えてください。
芦谷さん:子育てをするようになってから、子供の教育への関心が高まりました。大人が子供にかける言葉や態度によって、人格形成に大きな影響が出ると再認識しましたし、教育の質が向上すれば子供の可能性が最大限に広がり、将来の選択肢が増えると考えるようになりました。
そして、良質な教育を受けた大人が増えることが、社会を変えるきっかけになるのではないかとの思いも抱くようになりました。

そんな中、SBI大学院大学に入学することになり、授業を通じて、自分がどのように社会に影響を与え、貢献するべきかについて深く考える機会が増えました。年齢的にも、社会に何かを残したいという思いが強くなり、早く行動に移さなければならないと考えるようになりました。この思いは単なるビジネスの枠を超え、自分の人生全体を通じて果たすべき役割を見据えたものです。


――SBI大学院大学の友人とは、どのようにこのプロジェクトに関わったのでしょうか。
芦谷さん:社会の未来のために自分ができることを模索している中で、前述の理由から、良質な教育を社会に届ける為に、まずは学校に通えない発展途上国の子供たちに教育の機会を提供したいと考えました。

その時、大学院で知り合った同期の千葉真也さん(2022年9月修了)が以前カンボジアで小学校を建設した話を思い出し、2024年1月頃に相談したところ、千葉さんと笠井克彦さん(2024年3月修了)も賛同してくださいました。
小学校の建設に向けて話を進めた結果、予想以上にスムーズに計画が進み、相談から1年後に建設が実現しました。こんなにも早く実現できたのは、同じ使命感を持ち、深く共感し合える仲間に大学院で出会えたことが大きかったからです。

この出会いは、私にとってかけがえのない貴重な財産となりました。もちろん学校を1校建てただけで社会が変わるとは思っていませんが、「何かしたい」という自分の気持ちを、一つ前に進めるために必要な一歩となりました。


SBI大学院大学の友人


大学院の仲間と協力して子どもたちの未来を守る

――活動の具体的な内容を教えてください。
芦谷さん:私たちは、NPO法人HEROへの寄付を通じて、シェムリアップ州スバイルー郡のアンロンプアウ小学校へ校舎を寄贈しました。合計500万円ほどの寄付金額を3人で出し合いました。
現地のNPO法人に建て替えが必要な校舎をいくつかピックアップしてもらい、その中から最も貧困地域にあり、早急に建て替えが必要とされる校舎を選定しました。そして、その校舎の建て替えに向けて寄付を行い、建設を進めてもらいました。
一緒に寄付をした千葉さんと笠井さんの他に、一緒に学んでいた学生も含めて合計12名で、2025年3月15日にカンボジアへ向かい、開校式に参加しました。開校式では、感謝状の贈呈やテープカット等のイベントがあり、子どもたちとも交流させてもらいました。


寄贈したアンロンプアウ小学校


――実際に建設された校舎をご覧になっていかがでしたか?
芦谷さん:元の校舎は穴だらけで、もはや壁と呼べる状態ではなく、さらに子供たちが入れる数にも限りがありました。しかし、新しい校舎が完成したことで、雨風もしのげるし、より多くの子供たちが学べる環境になりました。これで、子供たちが快適に学ぶことに集中できると思い、安心しました。


アンロンプアウ小学校で学ぶ小学生


SBI大学院大学で得たこと

――SBI大学院大学で学んだ中で印象に残っていることはありますか?
芦谷さん:事業計画演習などの様々な授業を通して、社会課題や世の中のニーズを掘り下げる場面があり、その中で、自分が社会に対して何をすべきか、何ができるか自分を振り返って深く考える場がたくさんありました。 その過程があったから、カンボジアの寄付を思いつき、実際に行動に移すことにつながったんだと思います。

大学院の授業を通じて社会貢献について考える機会が増え、先生方からのフィードバックを通じて自分のできる最初の一歩として、発展途上国への学校建設に携わることができました。
また、社会課題に対して行動したいことやアイデアの相談を、同期の仲間や先生に直接話せる機会が多くあります。同じ考えを持つ同志と繋がったり、近しいビジネスをしている協力者を紹介していただく機会がたくさんありました。

大学院に入って最も良かったと感じる部分は、単なる勉強に留まらず、こうしたリアルな繋がりを持ち、行動を起こすための環境やチャンスを掴む機会が多かったことでした。
さらに、大学院で学んだことで、市場や経済に対する理解が深まり、視野が広がりました。 様々なフォーマットを知ることができたので、いつもの仕事をフォーマットに当てはめて整理することができ、解決のスピードが上がり、仕事のレベルが全体的に上がったと実感しています。周りからの評価も上がったことで、自信がつきました。


――芦谷さんがこれからやりたいことを教えてください。
芦谷さん:将来的な目標として、新しく建設した校舎を拠点に、現地の子供たちに必要な授業を引き続き無償で提供したいと考えています。校舎を建てて終わりではなく、今回の取り組みをきっかけに海外とのつながりを築きながら、現地の課題やニーズに目を向けて次に自分ができることを模索していきたいと考えています。


――SBI大学院大学に入学をお考えの方にメッセージをお願いします。
芦谷さん:SBI大学院大学での学びを通じて、視野が大きく広がり、人脈が生まれたことで、修了時には想像もしなかった国境を越えた大きな活動へとつながりました。 学び始めることに遅いことはありません。働きながらの学びに心配な方も、ぜひ、勇気をもってチャレンジしてください。

PROFILE

芦谷絵里さん
芦谷 絵里  Eri Ashiya

  • 修了年月:2022年9月
  • 勤務先:株式会社LIFE CREATE
  • 経歴:全国規模でフィットネス事業を展開する上場企業にて、新規事業のゼネラルマネージャーとして、事業戦略の立案と推進を担当。現在、7歳の息子を育てる母でもあり、中学・高校時代に自身が不登校を経験したことから、教育分野での社会貢献に強い関心を持つ。2025年3月、NPO法人HEROを通じてカンボジアへ校舎を寄贈。