講師:福田 晃市
(SBI大学院大学講師/中国古典研究家)
標準学習時間 | 開講期間 | PDU |
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4.5 時間 ※各章約1.5時間(動画平均視聴時間80分+確認テストの目安10分)×3回=4.5時間 | 28 日間 |
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※コースの紹介動画です。音声が出ます。
「孫子の兵法」の概要を理解した上で、「その教えを今(生活や組織戦略)に活かすためには、どのような考え方をすればよいか」について、一例を紹介し、「孫子の兵法」を今に活用できる力を養っていく事を目指します。
また、一般的に「孫子の兵法」と言えば、『孫子』(孫武の兵法)だけが取り上げられがちですが、「孫子の兵法」には春秋時代の「孫武の兵法」と、戦国時代の「孫ピンの兵法」の2種類があります。この授業では孫武と孫ピンの両方の兵法を取り上げます。
ビジネスパーソン全般(若手~経営者)
「孫子の兵法」の教えを普段の生活に役立てられるようになるにはどのようにすればよいか。その解答を見つけ、受講者が「孫子の兵法」を普段の生活に活用するための思考方法を身に付けることを目標とする。
全授業コンテンツ(配布資料および動画)の閲覧・視聴を完了し、かつ、各確認テストで合格点を獲得すること(満点の60%以上の得点で合格となります)。
特にありません
【前編】
1. 孫武の兵法 その1
『孫子』のうち、始計、作戦、謀攻について、ご紹介します。
各篇のポイント
始計篇:まず五事七計で勝算をはかり、14の策略によって勝算を高めることが大切です。
作戦篇:戦争をすると多くの損失を出すことを自覚し、さらに節約する工夫をしていくことが大切です。
謀攻篇:戦わないで勝てるようにすることが一番だが、戦うときには効率的に戦うようにすることが大切です。
特に謀攻については、「どのようにすれば損失を少なくできるだろうかを自問自答して、答えを見つけることによって、謀攻ができるようになる」ことを覚えておいていただけるとよいかもしれません。なぜかと言いますと、『孫子』には、謀攻の定義として、上記のようなことを記しているからです。言いかえますと、謀攻については、この考え方を書くだけで、具体的な方法は教えてくれていません。おそらく、戦いを指揮する者が、現場でこの方針にのっとり、その場その時に最適な計画を立てろ、と言いたいのでしょう。
2. 孫武の兵法 その2
『孫子』のうち、軍形、兵勢、虚実について、ご紹介します。
各篇のポイント
軍形篇:まず実力をたくわえることが大切です。
兵勢篇:蓄えた力をタイミングよく一気に出すことで、さらに勢いづくようにすることが大切です。
虚実篇:こちらの充実した力で相手に弱点をつくことが大切です。
この骨子に肉付けをしていけば、孫子の兵法も身につけやすくなるかもしれません。
3. 孫武の兵法 その3
軍争、九変、行軍について、ご紹介します。
各篇のポイント
軍争篇:「上手に駆け引きして優位に立つ」というものです。
九変篇:「臨機応変」について述べています。
行軍篇:「原理原則」について述べています。
戦いに勝つためには非常識な手段(九変篇)と常識的な手段(行軍篇)の2つが必要です。軍争については、本コースの専用教材としてお配りする「まとめノート」に記載の「3つのポイント」「戦い方のポイント」「勝利の秘訣」「4つの工夫」の4つに焦点をしぼると、うまくまとめることができます。
4. 孫武の兵法 その4
地形、九地、火攻、用間について、ご紹介します。
各篇のポイント
地形篇:「6つの地形」「6つの敗因」「すぐれた将軍のリーダーシップ」の3つがポイントになります。
九地篇:「地勢の特性」「行動の時機」「人間の心理」の3つのポイントにしぼると、整理しやすくなります。
地形と九地では、いずれも地理をあつかっています。はじめて学ぶ方は、もしかすると違いが分からないかもしれません。今で言うなら「地形=自然地理・地形について」「九地=人文地理・地勢について」となります。地形によって、軍隊の不利と有利が違ってきます。たとえば、高い山の上にいれば、有利になります。これが自然地理的な考え方です。しかし、同じ高い山でも、敵のいないところなら、高い山に陣取っても、別に有利でもなんでもありません。それが有利になるか、不利になるかは、すべて人の動き次第です。これが自然地理的な考え方です。そこで、たとえば、大海を背にした場所ですが、「地形」の観点からすれば、逃げ場がないので不利な地形となります。しかし、そこに陣取って戦うなら、兵士は生き残るためには正面の敵に勝つしかないので、必死に戦うようになり、結果として有利となります。これが人文地理的な考え方です。
火攻:文字通り「火攻め」の方法について書かれています。
火攻めは今でいうなら大量破壊兵器です。ふだんの生活で大量破壊兵器を使っては大変です。犯罪になりかねません。しかし、イマジネーションを働かせて考えてみると、合法的に使用可能なものだとわかると思います。ぜひイマジネーションを広げて、自分なりに活用してみてください。
用間:基本は「情報収集=リサーチ」と「情報操作=PR」にあります。とくに情報操作の威力については、『戦争広告代理店』という本を読むと、よく分かるかもしれません。
【後編】 ※本講座は後編となります
5. 孫ピンの兵法 その1
6. 孫ピンの兵法 その2
7. 孫ピンの兵法 その3
5~7では、『孫ピン兵法』(『孫ひん兵法』とも言う)をご紹介します。
もともと『孫ピン兵法』は、1972年に漢代の墓から発掘されるまで存在していませんでした。しかも、発掘の際にバラバラになってしまっているので、断片的です。各篇の話には「まとまり」があっても、全体の流れには「まとまり」がありません。各篇読み切りといった感覚で認識していただけるとよいかもしれません。
全31篇の『孫ピン兵法』を全3回に分けて紹介しますが、「まとめノート」で図解するなどして、雑多な全体像を少しでも理解しやすく紹介していますので、それらをご覧いただけますと効率的に学べると思います。
専用教材をPDFにて配信