講師:石川 秀樹
(SBI大学院大学客員教授/サイバー大学専任教授)
標準学習時間 | 開講期間 | PDU |
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6 時間 ※各章約1.5時間(動画平均視聴時間80分+確認テストの目安10分)×4回=6時間 | 28 日間 | 4(W:0, P:0, B:4) ※W=Ways of Working、P=Power Skills、B=Business Acumen |
※コースの紹介動画です。音声が出ます。
企業経営幹部として必要な知識である経済用語、経済データ、経済の仕組み、経済理論を学ぶだけではなく、各々の理論という枠を超えた経済思想について、その思想の社会的背景を踏まえて説明します。その経済思想が、現代の自分のおかれている文脈においては、どのように解釈でき、活用できるのかを理解します。これにより、戦略的な経営判断や経済論理を使った将来の予測やリスクの認識につなげることも可能となります。なお、文系学部出身者が多いことを前提に進めるので、特別な数学的知識は不要です。
ビジネスパーソン全般(若手~経営者)
1.一国経済全体や世界経済の動きを論理的に分析し、それが自分のビジネスや生活にどのように関わるのかを理解する。
2.時代背景を含めて経済思想を学び、現在の経営判断に活用できるようにする。
3.経済論理を使って、将来をどこまで予測でき、どこからは予測できないかを認識する。
全授業コンテンツ(配布資料および動画)の閲覧・視聴を完了し、かつ、各確認テストで合格点を獲得すること(満点の60%以上の得点で合格となります)。
特にありません
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1.望ましい経済とは何か? -効率性と公平性-
「経済が良くなった」とか「悪くなった」といいますが、経済の良さ=「望ましさ」の基準である「効率性」と「公平性」について具体的に学びます。評価基準の明確化は企業経営にも応用できます。
2.市場経済 -アダム・スミスの思想と時代背景から何を学ぶか-
経済学の父であるアダム・スミスの思想を学びます。「分業」や「自由な市場経済」だけではなく、「虚栄心」が経済成長の原動力であり、「他人への共感(同感)」が市場を調和させるという感情的側面も学びます。健全な競争を行うためのメンタル面の重要性の指摘から得るものは大きいはずです。
3.有効需要管理政策 -ケインズ理論と時代背景から何を学ぶか-
「不況期には政府による景気対策を!」という私たちの常識を創り上げたのがケインズです。では、なぜ、ケインズ以前はそのような考えがなかったのか?世界大恐慌期にケインズはどのようにして理論を創り上げたのか?について学びます。
-2- ※本講義は-2-となります
4.国内総生産(GDP)・物価の推移
景気や経済成長、国の経済規模の比較など多くの経済議論の基礎となる国内総生産(GDP)と物価の計算ルールについて学ぶとともに、戦後のGDPの推移から日本経済の歴史を学びます。これらは、評価基準をどう創るべきかという点で企業経営にも役立ちます。
5.為替レートの推移と日本経済
日本経済に大きな影響を与える為替レートの決定理論だけではなく、円高や円安がどのようにして日本経済に影響するかを理論とデータの両面から学びます。また、通貨の最適な流通範囲について考える最適通貨理論を用いて、ユーロ圏の問題についても考えます。
6.財政の3機能
財政には、社会の効率を向上させる資源配分機能、公平を実現する所得再分配機能、そして、経済安定化機能があります。これらの機能を理解した上で、日本の財政の収入と支出の現状について考えていきます。
7.財政危機と日本経済
日本は巨額の財政赤字を抱えますが、それに見合う返済能力があれば問題ではありません。返済能力をどのように考えれば良いのか?財政が破綻せず持続する条件は何か?を考えます。また、返済能力を簡単な記号で表す「格付け」についても学び、日本の財政危機の状況と、それが経済に与える影響について考えます。
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8.金融政策
不況期に行う金融緩和策とインフレ期に行う金融引き締め策、長期金利と短期金利の関係という教科書レベルの内容に加えて、ゼロ金利政策や量的金融緩和について学び、その効果と限界について考えます。
9.選択の自由 -ハイエクとフリードマンの思想と時代背景から何を学ぶのか-
人間の合理性の限界と情報の不完全を認め、政府が制度を創るべきではなく、試行錯誤しながら創られる秩序が実は望ましいのだとするハイエクと、選択の自由こそが社会の繁栄をもたらすとし、経済的自由と政治的自由の不可分性を主張するフリードマンの思想を学び、企業経営への活用を考えます。
10.イノベーション -シュンペーターの思想と時代背景から何を学ぶか-
多くの企業経営者が好むシュンペーターの「創造的破壊」、その理論の全体像を理解します。「創造的破壊」とはすごい発見である必要はなく、要素の組み合わせ(「新結合」)で実現できるという点は、新たな企画のヒントになります。
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11.景気循環
企業はいかに投資の意思決定を行うのか?不景気や好景気はなぜ起こるのか?を学びます。景気循環は悪いことだと思いがちですが、そうではなく、外的なショックを吸収するプロセスなのだと前向きに捉える逆転の発想が登場することに驚くことでしょう。
12.経済成長
経済成長の要因は、機械や施設などの資本、労働、技術ですが、何が高度経済成長の原動力であり、何が成長鈍化の原因なのかを探ります。また、何が経済を成長させるのかに関する代表的な3つの考えを学び、それらを企業の成長に当てはめて考えます。
13.格差社会(+複雑系経済)
所得格差を測定する指標を学び、日本の現状を把握します。また、社会システムとしての全体のつながりを重視する複雑系経済と複雑系経営を学びます。そして、複雑系経営の思想を経営実践に落とし込む日本経営品質賞のフレームワークを理解します。
14.少子化と高齢化の日本経済への影響(+フリー経済・シェア経済)
50年間で日本の人口は1億3千万人から8千5百万人へと激減すると予測されており、その人口激減が経済に与える甚大な影響を考えます。また、ネット時代に登場した新しいビジネスモデルであるフリー経済とシェア経済について経済合理性の観点から考えます。
・本コースは、PDU対象コースです。
・本コース受講により、「公式なプロジェクトマネジメントの研修の受講(PMP®受験資格)」となります。
・PMPは、プロジェクトマネジメント協会(Project Management Institute, Inc.)の登録商標です。
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