講師:石川 秀樹
(SBI大学院大学客員教授/サイバー大学専任教授)
標準学習時間 | 開講期間 | PDU |
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6 時間 ※各章約1.5時間(動画平均視聴時間80分+確認テストの目安10分)×4回=6時間 | 28 日間 | 3.5(W:0, P:0, B:3.5) ※W=Ways of Working、P=Power Skills、B=Business Acumen |
※コースの紹介動画です。音声が出ます。
ファイナンスとは、単に必要な資金を調達するということではなく、企業の支配権を誰が持つか、株主や債権者といったステークホルダーの期待にいかに応えていくのかという問題です。ファイナンスのキーワードは株主や債権者との共通言語といっても過言ではありません。したがって、財務担当者に任せれば良いというものではなく、経営トップを含む全ての経営幹部にとって必須の知識です。
本講義では、ファイナンスの基本論点をマスターするだけではなく、ファイナンスに関する指標をエクセルを使って計算し、その指標を用いて経営を語ります。
ビジネスパーソン全般(若手~経営者)
・自社や投資プロジェクトがどれだけの収益率をあげればよいか、その計算方法を知っており、自分でエクセルを使って計算できる。
・出資か借り入れか、株主構成はどうあるべきか、などに関し、ある程度の勘所をつかむ。
・理論を自分の仕事に当てはめて考え、ファイナンスの視点から振り返ることができるようにする。
全授業コンテンツ(配布資料および動画)の閲覧・視聴を完了し、かつ、各確認テストで合格点を獲得すること(満点の60%以上の得点で合格となります)。
・エクセルの基本的操作ができることを前提に講義を進めます。
・文系出身者が多いことを考慮し、統計や数学の基礎知識は説明します。
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1.ファイナンスの重要性・講義概要
ファイナンスとは何か、どのような経営課題と関係するのか、および、自分の現在及び将来の仕事とファイナンスとの関連を理解した上で、ファイナンスの講義により何を得たいかを明らかにする。
2.投資の判断
投資の収益率を計算する方法である、資金回収期間法、NPV法、内部収益率法を学び、その3手法の長所と短所を知り、適切な使い分け、および、エクセルを使った3手法の計算ができるようにする。
3.リスクとリターン
ファイナンスにおけるリスクの概念、および、ポートフォリオによるリスク軽減効果について学んだ上で、リスクとリターンの関係の理論であるCAPM理論、ATP理論を理解する。これらの機関投資家の視点を理解した上で経営者が考慮すべき点を理解する。
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4.企業価値評価(1)
ファイナンスにおける企業価値とは何かを理解するとともに、企業のハードルレートであるWACCを理解し計算する。
5.企業価値評価(2)
企業価値の計算方法である市場価値法、純資産法、類似企業比較法、DCF法の4つを理解し、DCF法より、企業価値を増やすにはどうしたらよいかを理解する。
6.企業価値と資本構成
エクイティーファイナンス、デッドファイナンスの違い、自己資本、負債の資本構成の違いによって企業価値が異なるのかどうか、株主期待収益率がどのように変わるのか、を学ぶ。そして、自社の資本構成はどうあるべきかを、業界や企業の特性を考慮しつつ考える。
-3- ※本講義は-3-となります
7.資金調達の方法
株式、債券、銀行借り入れなど多様な資金調達の方法について、長所と短所を理解する。
8.債券
債券の理論価格の求め方、利回りの計算、格付けの意味など、債券に関する基礎知識を学ぶ。その上で、債券価格がどのような要因で変動するのか、金利がいかにして決まるのか、長期金利と短期金利の関係を理解する。以上を通じて、長期借入と短期借入について適切な判断ができるようになるのが目的である。
9.株式
株式投資の際に用いられるPER、PBR、チャート分析やドルコスト法を理解する。また、企業の利益をいかに株主に還元するかという利益還元政策の基本知識を理解する。以上を通じて、株式に関する俗説・通説を吟味する能力をつけると共に、株式市場参加者の思考パターンを理解する。
10.デリバティブ、予想レンジ
デリバティブの基本型である、先物、スワップ、オプションの仕組みを理解した上で、デリバティブのリスクヘッジ機能と投機機能を学ぶ。また、標準偏差を使って、経営計画の前提となる為替レートや株価の変動幅(レンジ)を予測する方法を学ぶ。
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11.外国為替管理、合併・買収・ガバナンス
外国為替変動リスク回避方法としての先物のディスカウント・プレミアムについて理解する。また、実際のM&Aのプレゼンテーションから、投資家を説得するのに必要な要素を批判的に学ぶ。
12.財務計画
財務計画の必要性を理解し、財務計画を作成し、おおまかな資金計画表を作成できるようにするとともに、財務計画を策定の際に、資金提供者である債権者や株主の視点で検証できるようにする。
13.ベンチャーファイナンス
ベンチャー企業の資金調達の方法とその特徴を理解するとともに、ベンチャー企業の一般的な資金過不足のパターンを理解する。また、資金提供可能性は、借り手の状況だけではなく、貸し手の状況によっても大きく変わるということを過去の事例から学ぶ。
14.まとめ
企業買収のケーススタディーを通じて、企業評価のプロセスを追体験することによって、企業評価の勘所をつかむ。
・本コースは、PDU対象コースです。
・本コース受講により、「公式なプロジェクトマネジメントの研修の受講(PMP®受験資格)」となります。
・PMPは、プロジェクトマネジメント協会(Project Management Institute, Inc.)の登録商標です。
専用教材をPDFにて配信