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第67回日本商業学会「転換期において求められる革新―日本市場の縮減化へのチャレンジ―」

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経営管理研究科准教授 徐恩之

 2017年5月26日から三日間、兵庫県立大学で、「転換期において求められる革新―日本市場の縮減化へのチャレンジ―」を題とし、第67回日本商業学会が開かれました。

 人口の減少と偏在の問題は、日本自体の縮減化という問題で現れています。その一方で、情報通信技術をはじめとする技術革新は、モノづくりの在り方や提供の仕方を抜本的に変えつつあります。デジタルテクノロジーの発展は、ものの設計や開発プロセスを変え、またIoTとして表現されるモノとモノのネットワーク化、SNSに代表される人と人とのつながり方のプラットフォームの変化など、革新的な現象が生まれてきています。
 このような現象に直面し、転換期を迎えている日本で、流通及びマーケティング分野の研究者がどのように研究を進めるかが、学会の主な関心事でした。

 特に、基調講演では、クリエイティブ経営の先端事例として、株式会社ファミリアの代表取締役である岡崎忠彦氏から、企業戦略についてお話を伺いました。
 株式会社ファミリアは、連続テレビ小説「べっぴんさん」のモデルにもなった女性経営者4人によって創立されたベンチャー企業です。岡崎氏は、株式会社ファミリアを、子供の服を売るアパレル企業よりも、企画企業であると言っていました。株式会社ファミリアは、「すべては子供のため」という企業原点に基づき、顧客にコンテンツを体感してもらい、顧客との共感を重視するマーケティング戦略に転換を営んでいるそうです。実に、ファミリア代官山店では、店舗であかちゃんを風呂に入れる体験ができます。そのプロセスの中で体感した商品を、その場で、ネット注文できる仕組みを導入しているそうです。
 「デジタルテクノロジーの発展は、店舗を、ただモノを売る場ではなく、情報発信の場に役割転換させている」、そして、「顧客と価値を創造していくプロセスを通じて、市場の拡大のチャンスを増やす戦略を重視する企業の動きが、市場で注目されている」というメッセージを、講演から受け取ることができました。